BG紹介:アイランド鉄道
『It's a Small Iland!』
KickStarterをはじめとするクラウドファウンディングが広く活用されることになったことで、海外でもアイデアひとつのスモールパブリッシャーなゲームがチャレンジしやすい土壌が整ってきている。かくいう自分は出資専門で楽しんでいる立場だが、これが非常に楽しいのである。プレゼンを聞くような気持ちで作り手のアイデアの聞く段階から始まり、それがどれだけの人に期待されて(出資されて)、モノとして具現化されていくのか。スパンの長い疑似体験と言える。
Dice Hate me Gamesはこのブログでは初めて紹介するメーカーだが、彼らもKickStarterを利用したベンチャー集団である。
https://www.kickstarter.com/projects/dicehateme/big-games-for-small-pockets-dice-hate-mes-54-card
その内容は6つの小箱ゲームを一挙リリースするよというもので、試みとしては以前Level99Gamesが「ミニゲームライブラリー」で行ったものと同形である。
今回紹介するのはその中の一つ。
サンファン的な拡大再生産を楽しめる「アイランド鉄道」だ。

彼らのリリースした6つの小箱ゲームは、すべて異なるアートワーク職人が手掛けている。そもそも、これらを作ったデザイナーも全員別人だ。というのも、DHMGがKickStarterでリリースしたゲームは、彼らが行ったコンテストのWinnerなのだ。100以上のゲームから選ばれたWinnerが製品化されたということである。 (100が多いかどうかは、この際気にしないでおこう)
箱サイズは一般的な小箱より若干大きい程度だ。テラテラした手触りをしており、若干チープな感があるのは惜しい。

中身はカードのみ。これは他5つの小箱ゲームにも共通である。
カードにはエンボス加工が施されており、箱とは違ってそれなりに品質は良い。
カードには列車とそれに付随する様々な情報がアイコン化して示されている。
このゲームにおいて、プレイヤーは小さな島の小さな鉄道運送会社の社長である。列車を大きくして、荷物を積んで、届ける。これをだんだん効率化していき、最終的に大きな目標へ向かっていく。つまり、拡大再生産だ。

もっとも大きな目標は、特定の目的地に特定の荷物を運ぶことである。これによる勝利点が半分以上だ。
それ以外にも列車を強化したことによる得点や、自己資金で建物を建てたことによる得点などが入る可能性があるが、基本は前者を達成していかないと勝てないようになっている。

プレイの手順はゲーマーにはお馴染み"サンファン・システム"を採用している。つまり、手札にあるカードを場に出すために、他の手札を消費するという仕組みだ。
これにより自分の列車を強化していくことができるほか、ゲーム終了時に大きな得点をもたらす可能性のある”建物”を作ることもできる。”建物”の効果にはゲームの進行を有利にするモノもある。
列車の強化をする際に気を付けておきたいのは、列車先頭のエンジン部が出力できるエネルギーを越えるような車両は追加できないということだ。どんなに長く、たくさんのものを詰める列車を作っても構わないが、それをするには大量のエネルギーを出力できるエンジンづくりが必要である。
さて、こうして列車を強化していきながら、プレイヤーの皆さんには勝利条件に大きく関わってくる”輸送業務”も行っていただかなくてはならない。

こっちが本業だ!
列車カードは実は資源の役割も担っており、カードを建てると何の資源なのかがアイコンで示されている。手札にあるその資源に対応する車両があれば、手番を消費してそれを積むことができる。
ここがこのゲームのキーなのだが、実は資源を積むのは自分の車両でなくても良いのだ。なんでそんなことをするのか。そりゃ、見返りがあるからである。
他のプレイヤーの車両に資源を積むと、その資源は当然そのプレイヤーのものになってしまうが、代わりにカード上部に記載されている強烈な恩恵を受けることができるのだ。カードをもらえたり、アクションをもらえたり。とにかく、資源をパスされる事と同等か、相対的には有利になるくらいの見返りがある。
これにより、ゲームに勝利するために他プレイヤーと関わることが必須になっている。
アイランドは狭いのだ。テーマとも合致しており、このゲームのウリになっているパートだ。
以上の要素を繰り返していき、一定の輸送が完了したらゲーム終了である。
54枚のカードで遊ぶゲームとしては、非常に多くの要素が詰め込まれている。これは明らかにスモールサイズドされたゲームであり、制限されたサイズにどれだけ盛り込めるかというミニチュア的な趣向を持ったアイテムと言える。
そういった狙いがDHMGのKickStarter企画にあることは間違いないと思うが、同じ様な企画がドイツに古くからあることをゲーマーの皆さんはよくご存じだろう。そう。アドルングのゲームたちだ。
枚数に微妙な違いこそあれ、基本的にやってることは同一である。制限を楽しむ企画性がその魅力の大部分を占めるため、自然と複数ラインナップでその趣旨をアピールする形となる。
個人的にはスモールサイズドされたゲームは機能性に欠ける部分があると感じるため、好みではない。が、その大喜利的チャレンジ精神はどんな場面でもイノベーションに繋がる可能性のある、貴重なリソースofマインドだと思う。
【評価】

【所感まとめ】
キックスターターらしい、ちょっと危なっかしいゲームではありますが、安心のサンファン・システムですし、絵も可愛いので、ゲーマーなら大きな外れにはならなかろうと思います。
他のDHMG小箱もプレイしていますが、おそらくこれが一番ゲームとして優れていると思います。
KickStarterをはじめとするクラウドファウンディングが広く活用されることになったことで、海外でもアイデアひとつのスモールパブリッシャーなゲームがチャレンジしやすい土壌が整ってきている。かくいう自分は出資専門で楽しんでいる立場だが、これが非常に楽しいのである。プレゼンを聞くような気持ちで作り手のアイデアの聞く段階から始まり、それがどれだけの人に期待されて(出資されて)、モノとして具現化されていくのか。スパンの長い疑似体験と言える。
Dice Hate me Gamesはこのブログでは初めて紹介するメーカーだが、彼らもKickStarterを利用したベンチャー集団である。
https://www.kickstarter.com/projects/dicehateme/big-games-for-small-pockets-dice-hate-mes-54-card
その内容は6つの小箱ゲームを一挙リリースするよというもので、試みとしては以前Level99Gamesが「ミニゲームライブラリー」で行ったものと同形である。
今回紹介するのはその中の一つ。
サンファン的な拡大再生産を楽しめる「アイランド鉄道」だ。

彼らのリリースした6つの小箱ゲームは、すべて異なるアートワーク職人が手掛けている。そもそも、これらを作ったデザイナーも全員別人だ。というのも、DHMGがKickStarterでリリースしたゲームは、彼らが行ったコンテストのWinnerなのだ。100以上のゲームから選ばれたWinnerが製品化されたということである。 (100が多いかどうかは、この際気にしないでおこう)
箱サイズは一般的な小箱より若干大きい程度だ。テラテラした手触りをしており、若干チープな感があるのは惜しい。

中身はカードのみ。これは他5つの小箱ゲームにも共通である。
カードにはエンボス加工が施されており、箱とは違ってそれなりに品質は良い。
カードには列車とそれに付随する様々な情報がアイコン化して示されている。
このゲームにおいて、プレイヤーは小さな島の小さな鉄道運送会社の社長である。列車を大きくして、荷物を積んで、届ける。これをだんだん効率化していき、最終的に大きな目標へ向かっていく。つまり、拡大再生産だ。

もっとも大きな目標は、特定の目的地に特定の荷物を運ぶことである。これによる勝利点が半分以上だ。
それ以外にも列車を強化したことによる得点や、自己資金で建物を建てたことによる得点などが入る可能性があるが、基本は前者を達成していかないと勝てないようになっている。

プレイの手順はゲーマーにはお馴染み"サンファン・システム"を採用している。つまり、手札にあるカードを場に出すために、他の手札を消費するという仕組みだ。
これにより自分の列車を強化していくことができるほか、ゲーム終了時に大きな得点をもたらす可能性のある”建物”を作ることもできる。”建物”の効果にはゲームの進行を有利にするモノもある。
列車の強化をする際に気を付けておきたいのは、列車先頭のエンジン部が出力できるエネルギーを越えるような車両は追加できないということだ。どんなに長く、たくさんのものを詰める列車を作っても構わないが、それをするには大量のエネルギーを出力できるエンジンづくりが必要である。
さて、こうして列車を強化していきながら、プレイヤーの皆さんには勝利条件に大きく関わってくる”輸送業務”も行っていただかなくてはならない。

こっちが本業だ!
列車カードは実は資源の役割も担っており、カードを建てると何の資源なのかがアイコンで示されている。手札にあるその資源に対応する車両があれば、手番を消費してそれを積むことができる。
ここがこのゲームのキーなのだが、実は資源を積むのは自分の車両でなくても良いのだ。なんでそんなことをするのか。そりゃ、見返りがあるからである。
他のプレイヤーの車両に資源を積むと、その資源は当然そのプレイヤーのものになってしまうが、代わりにカード上部に記載されている強烈な恩恵を受けることができるのだ。カードをもらえたり、アクションをもらえたり。とにかく、資源をパスされる事と同等か、相対的には有利になるくらいの見返りがある。
これにより、ゲームに勝利するために他プレイヤーと関わることが必須になっている。
アイランドは狭いのだ。テーマとも合致しており、このゲームのウリになっているパートだ。
以上の要素を繰り返していき、一定の輸送が完了したらゲーム終了である。
54枚のカードで遊ぶゲームとしては、非常に多くの要素が詰め込まれている。これは明らかにスモールサイズドされたゲームであり、制限されたサイズにどれだけ盛り込めるかというミニチュア的な趣向を持ったアイテムと言える。
そういった狙いがDHMGのKickStarter企画にあることは間違いないと思うが、同じ様な企画がドイツに古くからあることをゲーマーの皆さんはよくご存じだろう。そう。アドルングのゲームたちだ。
枚数に微妙な違いこそあれ、基本的にやってることは同一である。制限を楽しむ企画性がその魅力の大部分を占めるため、自然と複数ラインナップでその趣旨をアピールする形となる。
個人的にはスモールサイズドされたゲームは機能性に欠ける部分があると感じるため、好みではない。が、その大喜利的チャレンジ精神はどんな場面でもイノベーションに繋がる可能性のある、貴重なリソースofマインドだと思う。
【評価】

【所感まとめ】
キックスターターらしい、ちょっと危なっかしいゲームではありますが、安心のサンファン・システムですし、絵も可愛いので、ゲーマーなら大きな外れにはならなかろうと思います。
他のDHMG小箱もプレイしていますが、おそらくこれが一番ゲームとして優れていると思います。
スポンサーサイト