週刊オビ通~Amigoエッセン新作号

今年もエッセンの新作アミーゴ小箱が出揃った。

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小箱の新作は6作で、ここにあるのは5作。
「プライバシー・クイッキー」だけはカードに大量のリア充テキストが入っているので現在別手段で翻訳中。
それ以外は既に和訳済みだ。

小箱に見えて実は中箱ではないかと予感していた「カルマ」と「モルタールの入り口」だが、いずれも小箱サイズだった。ただし、「モルタールの入り口」とダイスゲームの「ローマポーカー」は分厚い形となっている。
SETエンタープライズからの留学タイトルである「カルマ」は、他のSET留学生同様、エンボスのかかっていないカードだった。

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また、ホワイトゴブリンの「レッドデビル」のテーマ替えである「サルコファガス」については珍しいミイラパッケージが内装に施される謎の仕様。カードはエンボス加工ではあるが紙が薄く、60枚のカードが入るようにしたと思われる。

◆3は多すぎる
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今回の注目作であるシュタウペの新作。
テンデイズTVで紹介いただいた通り、シュタウペは「NSVから出るゲームは、もっと簡単であるべき」という理由でこのゲームをアミーゴからリリースするに至ったわけだが…。なるほど納得。細かな一手はコントローラブルなのだが、大局をどうやってコントロールするかは結構難しく、こなれたゲーマー脳が求められる。初見ではどうやってプレイすればよいかわからない人も出てくるだろう。

いずれにせよ、もっとプレイする必要あり。

以上。
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BG紹介:ラウラの星 かくれんぼゲーム

『「よく見てごらん」の父』

少し前の記事で、「ケーキファイト」の基となるゲームが「ディンゴ」だという話をした。
過去に作ったゲームをブラッシュアップして新しいゲームにする。というのはドイツゲームにはよくあること。
「ハリガリ」の作者として知られるハイム・シャフィールも良く見れば同じようなゲームを山ほど作っていて、時には時代の子供に合わせた改良を重ねているのだ。
最近のハイム・シャフィールゲームの良作に「よく見てごらん」があるが、今日紹介する「ラウラの星・かくれんぼゲーム」はその前身というべきゲームである。

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アミーゴ小箱。
アミーゴ×ラウラの星、というタイアップは10年ほど前にぽろぽろ出ていたシリーズで、小箱では他に「ロボ99」や「ぬりえブラックピーター」がある。このタイアップシリーズはアイテムごとに引っ張ってくるコンテンツ素材がアニメだったり挿絵だったりして統一感がない。

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中身。子供用の厚紙を使用している。
表面にはラウラの星に出てくる人やアイテムが描かれている。
裏面は共通の裏面って感じの絵だ。

このカードを各自に5枚ずつ配る。
が、これは手札というよりゴールするまでのノルマを示している。自分のカードを全てなくしたプレイヤーが勝ちというゲームだ。
プレイヤーに渡したのとは別に、テーブルの中央に5枚のカードを表向きで配置する。このカードがゲームの主役となるカード達だ。

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まずはこの5枚のカードをよく覚えよう。十分に時間を取ったらゲーム開始。
手番になったプレイヤーは目を閉じる。その間にほかのプレイヤーはカードを1枚裏返す…。
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こんな感じに。

こうなったら手番のプレイヤーがやることは決まっている。
裏返されたカードが何だったか言い当てるのだ。

正解すれば自分のカードを1枚場に出すことができる…つまり
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場札は増えていく。

しかし一枚ずつ増えていく分にはなんとか覚えられる、というのが「よく見てごらん」の時にも書いた通り、忍者修行のようである。

「ラウラの星・かくれんぼゲーム」は、比較的オーソドックスなメモリーゲームと言える。それに対し、どこが変わったのかも含めてゲームにしている「よく見てごらん」は、やはりかなり進化したゲームと言える。

【評価】
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【所感まとめ】
メモリーゲームとして遊ぶ分には普通ですね。ラウラの星自体が日本では知っている人がいないので、登場する人やモノにまったく愛着が持てませんね。日本にあるべきゲームではないのは明らかで、気の毒なことをしました。
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週刊オビ通~シルバーウィーク・イベント号

来週網走にフルマラソンに行くので、シルバーウィークは東京近辺で過ごしました。
その中で唯一楽しみだった某ボードゲームイベントで、いろんなものが出たり入ったりしたのです。

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入ったものです。

紹介します。

◆ブタなかま
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最高にファンクな邦題にドイツらしいルールがブブっとマッチしたシュテファン・ドーラの快作。
ブタなかま黄金リーグを開きましょう。

◆きのこはかせ
まだルール読んでないのでわからない。
衝立にキノコを差して遊ぶ何かだったとおもう。

◆盗まれたロンドン
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場札を取ったり捨てたりしながら事件を解決していくサスペンステーマのクニツィアゲーム。
事件が一つ迷宮入りするあたり、ミステリアスな後味が何とも言えない。
ゲームとしては普通。

◆バルーンカップ
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しばらく見かけなくなったものの、最近他メーカーのモノをちらほら見るようになったやや古めのKOSMOS傑作2人用。
洗面器ではあるものの、全力を尽くさずにキューブを得るバランス感が必要でオモロ。この頃のドイツゲームがかなり好きです。

◆テイク・ア・ハイク
バックパックと両手にできるだけモノを持って遠征。ほかメンバーは付いていきたきゃ行けばよい。
その道程の険しさとハプニングで吉か凶かが決まる。
ヴァリエーションの伏せルールがオススメだが、一部のルールがいまいち機能しなくなるので普通のルールで十分かも。

◆こびとのくつや
ちょっと前の同人ゲーム。
遊んだ記憶では、UIのごちゃさが気になるものの、ベーシックで良かったように思う。特に妖精達のちからの抜けたタッチが良い。

◆ロール・フォー・イット
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ダイスの出目を指定したお題カードにサイコロを適応させていくゲーム。よくあるあんな感じ?となりがちなルールだけど、手番を跨げるダイス配置や、他人のダイスは使用できないなどのところから、「フォレロッテ」や「テンプテーション」とは異なる。
まぁ盛り上がりはする。が、クラシック版とされたこの見た目はいかんせん地味。豪華版の方は綺麗だけどすげー高い。

◆フェーズ10
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10種目に挑む連続挑戦型ラミー。とにかくプレイに時間がかかる。
国内ではボードゲーム版の方がメジャーか。

◆コンチェルト・グロッソ
売却分の買戻し。

以上。
来週はエッセンの小箱が来る予定なので、そちらを遊び次第、随時報告していきたい。

よろ。
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BG紹介:抹茶

『茶道具挟んで睨み合い』

日本テーマの海外産ゲームもだいぶ見慣れてきて、今やどれを購入するか選べる時代である。
一昔前に比べると”勘違いニッポン”みたいなケースもかなり少なくなったように思う。(とはいえ、中国と日本が一緒になっているものはチラホラ見かけるが)
GRAIL GAMESがリリースした「抹茶」はティーセレモニーをテーマにした2人用対戦ゲーム。
GRAIL GAMESは去年かおととしか、11時のティータイムをテーマにしたカードゲームを出していた。よほどティータイムが好きなんだろう。

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ジャケットのイラストは一目で「外国人が描いた日本人」な感じがしてちょっと気持ち悪いのだが、中のカード自体はそうでもない。イラストレーターは例の11時のティータイムゲームと同じ人だ。小さな箱で、ドライマギア小箱に近い形状。すこし分厚い。

コンポーネントはカードと木製トークン。
カードの枚数は少なく、カード置き場となるタタミカードを除くと、4スート×数字の1~4で16枚、さらに絶対負ける0のカードが2枚。合計たった18枚のカードで遊ぶミニマルめなゲームである。
木製トークンはちょっと豪華で華やか。スートと連動している「茶っ葉」「椀」「水」「匙」と、特殊な方法で入手できる「茶筅」。
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ゲームの目的はカードプレイを通して、これらのトークンを集めることだ。
ラウンド終了時に、
「5種類の茶道具がすべてそろっている」 もしくは
「1種類の茶道具が4個以上ある」
を満たしていたら、勝利の権利を得ることができる。
両者がこの条件を満たしていた場合は、より強い茶道具の数で優っているプレイヤーが勝利する。

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テーブルの中央には2枚のタタミカードの組み合わせが3つ用意される。
タタミカードの組み合わせは「数字Match」と「スートMatch」となっており、そこにランダムでカードが1枚ずつ置かれる。これがこのセットの場となる。
残った10枚のカードに0のカード2枚を混ぜ、各プレイヤーに5枚ずつ配る。残った2枚はこのセットで使用しないカードということになる。
プレイヤーはゲーム中のほとんどのカードを見ることができ、さらにゲームが進むと見えるカードが増えてくる。

1セットは3ラウンド。1ラウンドは一組のタタミカードに対してカードをプレイすることで進める。
ディーラーから、タタミに載っているカードに対して伏せてカードを1枚プレイする。その後は交互にプレイをするが、置ける場所は2枚しかないのですぐに終わる。ゲーム1セットには6枚のカード置き場があることになるが、手札は5枚なのでどこかはパスすることになる。

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双方がパスをしたらカードを表にしてラウンドの解決を行う。
左側の「数字タタミ」に乗っているカードについては、数字が一致していることが勝利する条件で、右側の「スートタタミ」に乗っているカードについては、スートが一致していることが勝利する条件だ。双方がこの条件”Match”をクリアしている場合、数字比べ、スート強弱比べで優っているプレイヤーがその場札に対して勝利する。
勝利したプレイヤーは場札のスートに対応する茶道具を1つ受け取ることができる。
また、Matchさせないこともゲーム中は必要になる。相手がMatchしていて、自分だけがMatchしていない場合、当然場札に対する勝負では負けてしまうが、代わりに「茶筅」をもらうことができるのだ。ただし、双方がMatchしていない場合はどちらも何ももらえない。

また1つ重要なのが、相手が出さなかった場札に自分だけが出していた場合、このカードは解決時に表にする必要がなく、MatchだろうがアンMatchだろうが場札に勝利して対応する茶道具を受け取ることになる。また、伏せカードのままなので情報として公開されないことになる。

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そんなわけで、情報はかなり見渡せるゲームである。
勝利条件のどれを満たすことができるセットになっているか、双方の茶道具を睨みながら、3ラウンド分の戦略を練って戦うことになる。2,3セット目のカード配分によっては勝負が決まってしまうようなこともあるが、それを避けたいプレイヤーは序盤で勝ち筋を分散させておくということもできるかもしれないし、なによりプレイ時間は15分程度なので何戦も遊ぶのが良いだろう。

もし長考するプレイヤーが相手でも安心してほしい。
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「抹茶」の茶道具は一人遊びにも対応している。

【評価】
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【所感まとめ】
双方が同じだけ考えると、ピンポイントで勝負どころが見えてくるタイミングがあります。まぁその場面自体はじゃんけんだったりするんですけど、手札に本当にじゃんけんできる状況があるかどうかというのもあり、実は他のところを睨んでいたり。状況把握~ブラフ勝負としては中々良いのではないでしょうか。ラフに遊んでもヒリヒリする場面があったりして、良いですね。
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BG紹介:ファイブクラウン・ジュニア

『小さなゲーム留学生』

もともとあるゲームをリメイクまたはそのままリリースすることも多いアミーゴの小箱ライン。最近はその傾向が特に顕著になっている。多くはお国違いからの流通・販売権絡みだが、はたから見ているとアミーゴへのゲーム留学生のようで面白い。
ここ2年で特に交流が多いのがアメリカ・アリゾナ州のSETエンタープライズ。その名のとおり「SET」を出している会社だ。
彼らのメインコンテンツは先の「SET」を筆頭に、「Quiddler」「Xactika」「FiveCrowns」あたりだが、これらは全てアミーゴからもリリースされている。いずれも大きめのアミーゴ中小箱だ。
実はこれらのゲームの一部には子供用が用意されており、その一つが今日紹介する「ファイブクラウン・ジュニア」である。

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アミーゴ中小箱。
調べてもらうとわかるのだが、本家にあたる「FiveCrowns」は極めてしぶ~い見た目をしており、まったく売れそうにないとても親子だとは思えない。ジュニアはアートワーク自体は簡素だが、イラストに愛嬌があっていい。

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中身。カードとチップしか入っていないように見えるだろうが、実は後ろに見える黄色い部分も超デカいカードであり、正式なコンポーネントだ。
小さいカードはプレイ用のカードで、5色×数字の1~5の25枚セットが2デッキ。このデッキのうち一方は数字に星がキラキラしている。これには意味があるので、実際には同じカードは2枚存在しない。

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プレイヤーの目的はいたってシンプル。自分の5枚の手札を、「全て同じ色にする」か「全て同じ数字にする」ことである。
ちなみに先ほどのデカいカードには5色のうちの1色が示されており、毎ラウンド1枚が表向きにされる。そこで指定された色のカードで、しかも星がキラキラしているカードは、このラウンドにおけるジョーカーとなる。つまり、毎ラウンド5枚がジョーカーだ。

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手番になったら山札か捨て札の一番上から1枚を取り、それを手札に加える。
その後、1枚を捨て札にする。
明快。

そしてこれにより自分の手札を先の条件にすることができたら、ファイブクラウン宣言をするのだ。
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誰かがファイブクラウン宣言をしたら、残りのプレイヤーも1回ずつ手番を行うことが出来る。優しい。
そのうえで、ファイブクラウンにすることが出来たプレイヤーはお宝チップを受け取り、できなかったプレイヤーはファイブクラウンに足りないカードの枚数だけネズミチップを受け取る。
5ラウンド終了時、お宝チップが最も多いプレイヤーが勝利するが、タイの場合はネズミチップの少ないプレイヤーが勝者となる。

【評価】
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【所感まとめ】
1ラウンドあたりが極めて短時間に勝負がつくようになっており、妙なスピード感があっていいですね。2,3回手番を回せば誰かがあがってしまうでしょう。本家のファイブクラウンはもう少し大きな数で、ラミー的にあそぶゲームとなっています。
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6ニムト・ジュニア

『大人にはヴァリアントを』

ニムト・ファミリーをご存じだろうか。
ビッグダディことニムト父さんを中心に、ボード母さん、赤箱長男、イレブン次男、パーリー三男。そして極めつけが一家のアイドルこと「ニムトジュニア」である。
子供向けということもあり、特別話題になることもないアイテムだが、発売からは時間が経っているにも関わらず国内ではメビウスをはじめとして各お店で安定して手に入る。さすがニムトファミリーだ。

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ジュニアはまだ子供なので、他の兄弟たちとは見た目がだいぶ異なる。
テーマは動物。ヘタウマなのかウマヘタなのかよくわからないイラストのヨーロッパ的タッチが、やや気持ち悪い。
ちなみに作者は本家と同じクラマーである。

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なかみ。カードにはエンボスはかかっておらず、かと言ってイエローシリーズのような厚紙でもない。
カードには動物が1~3匹描かれている。ウマ、ヤギ、ウサギ、ニワトリ、アヒル、ネズミの6種類。いわゆる牧場で飼われていそうな動物である。

このゲームの基本エンジンは”列が6枚になったら引き取る”というニムトシステムと同じだが、トリガーが"カード枚数"ではなく"動物6種類が揃う"というルールになっている。
これをベースにして「ニムト・ジュニア」はいくつかのルールで遊べるようになっている。
大きな変更点は、手札がなく、毎回手番の人が山札の上から1枚をめくる、ということだ。つまり、置くカードは選べない。

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ベースとなるのはニムトと同じゲーム進行。違うのは先ほどの手札の話と、引き取った札がマイナスではなくてプラス点、というルールだ。カードを置く条件は”同じ動物が列にいないこと”だけなので、ニムトに比べればかなり自由が利くことになる。ルールその2も同じ条件で引き取った札がマイナス点というだけだ。
しかしこれではやることをやるだけなので飽きてしまう。ということで、レスポンスの要素を入れるヴァリアントが提示されている。大人が遊ぶのであればこちらがお奨めだ。
具体的には、手番のプレイヤーがカードをめくった時点で、6種類になる列があったらそれを最も早く宣言(「3の列!」など)した人がプラス点として引き取れるというルールだ。

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このヴァリアントルールで活きてくるのが2~3種の動物が描かれているカードだ。パッと見で何がいるのかわかりにくいため、見落とす可能性がある。
まぁ、そんな感じです。

【評価】
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【所感まとめ】
まさにキッズ版のニムト、という感じです。それ以上でも以下でもなく。
並べるとそれなりに可愛く見えるところが良いところですね。

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BG紹介:ヒックとドラゴン アドベンチャーゲーム

『レッツ・ライド!』

世界的にはそこそこの人気を誇るドリームワークスの「ヒックとドラゴン」。しかし日本では人気がいまいちなのか、「ヒックとドラゴン2」がDVDスルーだったことは有名だ。まぁ実のところ、ヒックとドラゴンにかかわらずドリームワークスアニメーションのタイトルは日本ではあまりメジャーに展開されなくなって久しい。
今回紹介するのはASSのコラボゲーム。ドリームワークスアニメーションの版権はKOSMOSと組んで出ることが多い印象だが、ヒックとドラゴンのゲームはASSのようだ。

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いわゆるダブルデッキ小箱サイズ。
今のASSはゲームを作るメーカーという印象はなく、カルテットやプレイングカードなど、ゲーム的デベロップを必要としないものを中心としてリリースしている。先日紹介した「ヒックとドラゴン・マウマウ」も、文字通りのマウマウであったように、本日のゲームにもそこまで大きな期待はしない方が身のためである。

また、マウマウ紹介時に「ヒックとドラゴン2」のゲームであるかのように受け取られたかもしれないが、正確には劇場版からの引用ではなく、連続アニメ版からの素材利用となっている。だからあの巨大な敵とかは出てこない。

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中身。
カードの構成はほぼトランプで、エンボス加工はされていない。ASS品質のプレイングカードと同じだ。
左側の宝石類は個人的に入れたものなので製品には付属しない。このゲームはプレイ中に得点が入ってくるので、何かしらの得点記録手段が必要になるのだ。

で、手札として規定枚数のカードを配り、残りを山札にしたらゲーム開始。
さて、どんなゲームが始まるのかというと…
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七並べDeath!
ズコーーッってなる方が間違っている。だってASSなんだから。
ただ、その詳細なルールがちょっと微妙で、6については誰かの手札に入った時点で場に出すことができるんだけど、それがなかったらぐるぐると手札を入れ替えたりするしかない。で、手札に入った人は「悪いドラゴンを発見した」という手柄で6点もらえる。6が出たら、あとは七並べのルールでカードを置いていくだけ。そして端っこのカードを出したプレイヤーはご褒美の10点。
なんじゃそりゃ…。

何分ASSなもんで!ご容赦ください!

【評価】
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【所感まとめ】
ヒックとドラゴンが好きな子供が遊ぶには良いのかもしれませんが、へんてこりんな6の登場の仕方や、100%運でしかない得点の入り方など、無意味に点数が導入されているせいで、ゲームとしては余計に荒っぽく見えます。マウマウの方がマシですね。
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BG紹介:森のカッコー

『ドーラの傑作同時プロット』

義務教育を全うした皆々様であればカッコーという鳥はもちろんご存じであろう。
そのカッコーが、托卵という人間界の価値観ではイカれ腐った教育方針を持つハイパー生命体であることはご存じだろうか。托卵という言葉は知らずとも、何かしらのメディアでご存じのはずだ。そう。「卵を他の鳥の巣に産み付けて育てさせる」という荒業。騙された方はたまったもんじゃないが、そうやってカッコーは大人になるのである。

今回紹介する「森のカッコー」は、カッコーに息子を育てさせられるという、複雑な家庭事情に悩まされる鳥たちにフォーカスしたゲームである。
が、このゲームは「ブクブク」のもとのゲームなので、紹介は簡略化させていただく。

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シュミットの、今でいう小箱ラインナップのタイトルだった「森のカッコー」。
いまやシュテファン・ドーラの代表作の一つであり、アミーゴ名作ゲームの中でも他に引けを取らないブクブク様の若き日の姿である。

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左が手札となる鳥カードで、右がみんなで取り合ったり避けあったりする卵カードだ。
さらにプレイヤーのヒットポイントを表す雛カードがあり、その表面はモズ、裏面はカッコーとなっている。

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まず最初にするのは、自分の体力の確認だ。
手札を見ると、上部中央に雛のアイコンが描かれているのがわかる。このアイコンはなかったり、はたまた半分だけだったりするのだが、とにかく手札中にあるアイコンの合計値が自分の体力となる。
なぜ体力が手札毎に異なるのか。もちろん手札によって強弱があるからだ。通常この手のゲームのバランスのとり方は、ゲーム数をこなすという手法になりがちなのだが、それを手札と体力の連動というシンプルな形で提案したドーラはエラい。3万点。
体力は先ほど説明した雛カードで表す。ゲーム中体力が減ったら雛カードを裏返すのだ。(裏返すとにっくきカッコーの絵になっている)

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で、その手札を使って取り合ったり避けあったりするのが、この卵カードだ。
毎ターン、プレイヤーは同時にカードをプロット~公開し、もっとも大きい数字を出したプレイヤーが小さい数字の卵を、次に大きい数字を出したプレイヤーがもう一方の卵を受け取り、自分の前に置く。

この自分の前においてある最新の卵の数字が、もっとも大きいプレイヤーは、毎ターン1ダメージを受けるのだ。

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ラウンド終了時にのこった雛が得点になるので、雛カードは体力というだけの存在ではないのだ。
実際にブクブクを遊んだプレイヤーなら体感しているだろうが、この体力と手札の強さのバランスがすばらしい体力が8でも4でも、ラウンド終了時の残数は大きく偏らなかったりする。

というわけで、ブクブクをもう一度紹介する機会を作れて満足である。

【評価】
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【所感まとめ】
シュテファン・ドーラは素晴らしいゲーム作家のひとりですが、ブクブクはその中でも屈指の作品だと思います。
ルールも簡単なので、未体験であればいっちゃいましょう。

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週刊オビ通~梅雨入り号

毎度おなじみ週刊オビ通。
あまり個別のゲーム紹介記事ばかり続けているとギチギチして良くないということで、しっかり繋ぎを挟んで行こうということになりました。ハンバーグでいう、パン粉とか卵の部分です。

◆ラー(NGO版)
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素晴らしくコンパクトになったボックスで再版されたクニツィア三大競りゲームの一つ。相変わらずNGOの再版はいい仕事する。
木製コンポーネントもほぼそのままに、名作を購入しやすくなった。
ラウンドを跨ぐタイルと跨がないタイルを区別するためのアイコンがなくなったが、もともとどのバージョンにそれがついていたのかは知らない。あれがあると説明が楽なのだが。

◆シェルティ
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馬で遊ぶカルタ。風のように速く。

◆森のカッコー
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ドーラによる同時プロットゲームの大傑作。現在はブクブクで流通している。
カッコーの悪質なキラー習慣はもっとゲームにされて良いと思う。

以上。
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BG紹介:タイブレイカー

『タイブレイカブル』

スタートプレイヤーを決めるゲームがあるのなら、タイブレイクを解決するゲームがあったっていいんじゃないか。
というわけで「タイ・ブレイカー」。
作者はTed Alspach。
そう。記憶力の良い方は覚えているだろう。
「私たちの緻密な計算によるところでは、スタートプレイヤーを決める云々といったクダらない時間を短縮することで、年間250万回も余分にゲームを楽しむことができるはずなのだ。」
の演説で有名な男である。

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小箱サイズ。デザインは「スタートプレイヤー」と同様Board 2 Gameをベースにしている。
最近このブログで取り上げる内容がニッチ過ぎることを注意されるのだけど、ニッチこそ積み重ねが必要だと思うので、呆れ顔を承知で続けさせていただきたい。

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中身。
主役コンポーネントは巨大なタイブレイカーミープルだ。
カルカソンヌショック以降、ボードゲーム畑の住人はミープルの虜になっているので、変わり種ミープルに目がない(はずだ)。“かろうじて人である”という絶妙なデフォルメが魅力である。
であるにも関わらず話題作「ミュータント・ミープルズ」が流行らなかったのはアレなアレだったんだろうと察するところである。

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タイブレイカーの役割は、もちろんタイブレイクを解決することにある。
そういう局面が来たら、該当者がカードを1枚めくり、その指示を読む。
その指示を達成して早い者勝ちでタイブレイカーミープルをつかんだプレイヤーが勝利だ。
指示の内容は
「何か食べる」
「一端他の部屋に行く」
「このカードを手を使わずに机のファーサイドに到達させる」
といった変態じみたものばかりで、これを読んでいる皆さんの大好物に違いないだろう。

【評価】
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【所感まとめ】
ゲームに限らず、この世のタイブレイクをまとめて解決するために一家に一つあると便利なアイテムでしょう。ただし、宣言者は英語を読む段階で理解しているので、早い者勝ちルールとチグハグしております。タイブレイクに関係ない人が読み上げるべきでしょう。
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BG紹介:ディンゴ

『古典キッズゲームの雄』

「ディンゴ」はハイム・シャフィールによる古~いキッズゲームである。アミーゴ版がリリースされたのは1993年だが、もとは80年代に他メーカーから(同じイラストで)発売されたものだ。
このゲームをベースにしたタイトルもシャフィール作品にはあり、今年のAmigo新作で先日紹介した「ケーキファイト」もそのくちである。

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めちゃくちゃ味のある初期イラストをそのまま使用しているAmigo版「ディンゴ」。実は純正タイトルだけでなく、ドイツのキッズアニメとタイアップしたバージョンも存在する。

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中身。
サイコーにとぼけた動物カードにはエンボスが掛かっている。7種類の動物が各5枚ずつで、これはプレイヤー人数と同じ種類だけゲームで使用する。
加えてチップが付属する。最古のバージョンでは付属しなかったという話も聞いたことがあるが、裏は取っていない。

さて、このゲームは早押しゲームである。各プレイヤーは5枚の手札を持ち、一斉に1枚ずつ左隣のプレイヤーに渡すことでカードを巡回させる。もし同じ動物が5枚そろったら、「ディンゴ!」の掛け声とともにテーブルに手を置く。それ以外のプレイヤーも即座に反応して手を置き、最後になった人がペナルティを受けるというものだ。

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というわけで、「ケーキファイト」と基本的には同じ流れだ。
ただし、得点計算が異なる。「ケーキファイト」は5回ドベになったらゲーム終了のマイナスポイントレース。5枚揃えられるかどうかはあまり関係がない。
それに対し、「ディンゴ」ではドベのプレイヤーがチップをディンゴ宣言したプレイヤーに渡すというルールである。
まぁ、それほど変わらないっちゃ、変わらないんだがね…。

【評価】
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【所感まとめ】
セットコレクト、カードドラフト、そういったものの入門用キッズゲームとして良いのではないでしょうか。何よりも、イラストが最高です。このイラストこそが「Dingo」の本体と言ってもいいでしょう。
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BG紹介:シェルティ ~風のように速く

『欧米少女は馬が好き』

日本ではあまり見られない傾向なのだが、欧米のリトルガールを対象としたコンテンツには馬やポニーをテーマにしたものが多い。競馬的なレース趣味ではなく、乗馬&牧場生活や、カラフルなカートゥーンキャラクターといった、女の子解釈による馬&ポニー趣味である。

当然、ドイツゲームにも同様のテーマは存在する。が、前述のとおり日本には馴染みがない趣味なので入ってこない。ボーナンザの馬テーマリメイクである「ウェンディのホースバザール」などは知らない方が大半だろう。日本では良くてHABA系が出しているポニーレースだ。

というわけで今回は、KOSMOSの馬テーマゲームをお馬さんのように颯爽と紹介したい。

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KOSMOS小箱。タイトルにもなっているシェルティという原作モノゲームだ。
内容はカルタ系の早押しというか、早叩きゲームで、"風のように速く"というサブタイトルがジワジワと笑いを誘う点が意外に計算高い。

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コンポーネントの皆様。
エンボスの掛かった品質の良い牧場カードと、厚みのある回答タイル。
牧場カードには馬、リンゴ、ニンジンが混在して複数描かれている。
この牧場カードは全員に均等に配り、各自の山札として前に置いておく。回答タイルは全員の手の届くところに置いておこう。

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風のように速く
全員同時に自分の山札の一番上を公開。
これらのカードをお互いによく見て、もっとも1枚のカードの中に描かれた数の多いものと、その数に合致したタイルを、いち早く叩く。これが目的だ。
馬の場合は数に関係なく馬タイル、数が同値だったり、最大数が2の場合はシェルティタイルを叩こう。
勝者は公開されたカードを受け取り、また次のカードを全員で公開…と続けていく。
もちろん最多取得枚数者が優勝だ。

【評価】
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【所感まとめ】
キャラもののカルタですね。風のように早くタイルを叩くと良いと思います。
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ドゥームナイト新世紀 age5 ~スポーツの祭典スペシャル

本日はいろいろなスポーツの祭典を神の視点で味わう、高尚なゲーム会となりました。

◆DTC
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嫌がらせでクニツィアのブロマイドが入っている高尚なブラフゲーム。
所謂ブラフゲームのお作法に則ったジャストライトなブラフゲームであり、リトルクニツィア。
特に言及することはなさそうです。

◆おさかなこいし
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LOGISの商品は可愛いのが多いんだけど、こいつは3人以上ならしっかりとしたゲームになっている。NORISなりAmigoなりが買い取って広めてもいいんじゃないでしょうか。

◆フットボール・フィーバー
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神の目線でサッカーW杯を俯瞰する高尚なゲーム。
前大会の参加国を再現できるチームの網羅性。無理やりとはいえW杯を予選から決勝まで再現した力技。
ゲームバランスはプレイヤー任せな上に、カードの強弱設定もかなり微妙だが、上記の再現性に拘った故の味わいは高く評価したい。

◆オリンピア2000
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神の目線で古代オリンピックを俯瞰する高尚なゲーム。超久しぶりにやった。ズーシミ先生本日一のオススメ品である。
古代ドイツゲームの一種であり、ゆるゆる党の祖先でもある。手ぬるく遊ぶ分には楽しめる程度のドイツ感。悪くない。古きハンスの亡霊よ。

以上
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