RED★★★★☆

「レスラー」「クレイジーハート」「グラントリノ」「エクスペンダブルズ」。
真面目なものから不真面目なものまで、とにかく更年期オヤジが活躍する映画が流行っている。

今月末に全国公開予定の「RED」もそんな加齢臭香る映画のひとつである。

RED.jpg
「RED」とは「Retired Extremely Dangerous」の略であり、直訳すれば「引退した超危険人物」という意味。
ブルース・ウィルス、フリーマン、マルコヴィッチ達が陰謀に巻き込まれた元スパイ役をコメディタッチで演じる。やってることはアクション映画なのだが、ウィルス以外はアクション俳優でないところが面白い。ヘレン・ミレンが多彩な銃器をぶっぱなしまくる場面などは、特に変な汁の出るシーンである。
こういう変化球を込み込みにすることで、この映画は100%コメディ映画に仕上がっている。
監督は「きみがぼくをみつけた日」のロベルト・シュヴェンケ。これまた意外なセレクトだ。

ウィルスの大人な演技が◎。
元史上最強のスパイという漫画みたいな設定のキャラクターで、達観しているような、怠慢なだけのような、気だるい雰囲気がウィルスにぴったり。珍しく静かな口調を演じるウィルスに、腐女子ならば胸キュン間違いなしだろう。

マルコヴィッチのキチガイハゲっぷりも◎。
ロケットランチャー女とのガチンコ勝負はこの映画の見所、いや、ハイライトと言っていい。
そもそもマルコヴィッチはギリギリに滑り込んだ代打配役だったらしいが、彼の素晴らしいアホ演技なしに「RED」の洗練されたコメディ感は出せなかっただろう。

ヘレンミレンに関しては前述したとおり◎。
観ていて楽しすぎる。

ストーリーは四コマ漫画みたいなデフォルメタッチの陰謀もので、細かに計算されたものではないが、キャラクターのデフォルメ感とマッチしていて安心できる。

俳優以外は低予算のいわゆるB級映画。心地良い親父臭に包まれたセンスの良い映画である。ロドリゲス調と言えるかもしれない。
主演以外に“良い映画にしよう”というモチベーションが感じられない「エクスペンダブルズ」より余程良い。

続編熱望の一作。
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コメント

ヘレンばあさ・・・いや、失礼しました。
デイム・ヘレン+銃器っちゅう組み合わせがなんとも楽しみですねえ!

いやいや、それよりも・・・
スモールフェイセズがええですなあ。
このアルバムはむか~しよく聴きました。
2011/01/06(木) 19:47:58 | URL | Area51 #RFOB2wWc[ 編集]
ロニーレインは高校生の僕を英国フォークの森林に導いてくれた大恩人です。
2011/01/06(木) 20:09:08 | URL | オビ湾 #-[ 編集]
うっわー、ゼッタイ観たい、コレ。
もう、ストーリーとキャスティングだけで、おなかいっぱいになりそうです(笑)。
こっちでは、いつ公開だろう?

そういえば、このあいだよーやくインセプション観ました。
もう、ついていけなくなりそうになりながら、かろうじてついていく、その感じがとにかくおもしろかったです。
ただ、あの最終シーン…うむむって感じですよね。
2011/01/08(土) 07:16:12 | URL | 紺碧 #8IgtKjlw[ 編集]
さすがオビ湾さん、早いなぁ。
僕も観たいなーと思ってチェックしてました。
B級とは思ってなかったけど…w
でも楽しみだ!多分劇場は行かないけど!
2011/01/08(土) 14:00:26 | URL | しゅういち #JOOJeKY6[ 編集]
インセプションの最後はやってくれますよねぇ。やべ!手のひらの上だ!みたいな。

REDはヘレンミレンを知ってないと面白さがわからないかもしれないんで、国内では映画ファン向けですね。とにかくデイムヘレンとマルコヴィッチが良すぎてフリーマンとか出てるの忘れるくらい。
2011/01/08(土) 21:07:33 | URL | オビ湾 #-[ 編集]

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