ソーシャルネットワーク★★★★☆
ゴールデングローブも決まって各賞総なめ状態の「ソーシャルネットワーク」。
Facebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグの半生(半々生?)を創作ドラマを交えながら綴る2時間。

始まりは2003年のハーバード大学。
天才的プログラマーのマークは彼女にフラれ、酔った勢いで女の子をランキングする下世話なサイトを一夜にして創造し、2万2000という膨大なアクセス数を記録。
結果、汚名と才能を世に残した彼は、大学の先輩から新しいソーシャルネットワーク立ち上げの誘いを受ける。
一旦は引き受けたものの沸いてくる独自のアイデアが先行し、結局は親友と「ザ・フェイスブック」を創り上げた。かかった期間わずか数ヶ月。
アイデアを盗用されたと激怒する先輩達を余所目に、フェイスブックはますます拡大していく。西海岸へ進出するにあたりナップスターの創始者であるショーン・パーカーとも交友を深めるマーク。
親しい友人達との創作物が、ビジネスの最先端へと押し上げられる。
かくして億万長者になったマーク。
先輩に訴えられ、友を無くし、女性一人を手に入れられなかった天才。
いまやフェイスブックの評価額は500億ドルである。
主演のマーク役に去年「アドベンチャーランド」「ゾンビランド」といったB級ランドモノで活躍したジェシー・アイゼンバーグを起用。怒涛の早口台詞がまぁ素晴らしい出来で“超頭良いマーク・ザッカーバーグの世界”にまんまと吸い込まれてしまった。
現在の訴訟シーンと過去の回想シーンを巧みに織り込んだストーリーライン。随所で捲くし立てるように繰り返されるジェシー・アイゼンバーグの早口。誰にも縛られない立場にいるという優越感。
これらが合わさったスピード感と高揚感で、映画はあっという間に終わる。なんと爽快なことか。やはりフィンチャーは観客をトランス状態にするプロだ。
高揚感が静かに冷めていくラスト。
ふと自分の中に還っていく主人公の、生暖かな視線に共感する。
文句なしに面白い。
そして確かに、この映画はオスカーの器かもしれない。
ここ数年の受賞映画を思い起こしても、このタイプの勢いを持った映画の受賞が目立つ。
特に重なるのは、2年前にフィンチャー監督の「ベンジャミン・バトン」とオスカーを取り合う形になった「スラムドッグ・ミリオネア」だ。
貧しい少年がTV番組で巨額の懸賞をものにし、イカサマ容疑で尋問されるシーンと幼年期からの回想シーンを、リズミカルな編集・音楽でスピーティーにまとめた「スラムドッグ・ミリオネア」。
どちらの行き着く先も億万長者。
欲しかったものは女の子1人。
物語も演出も近い2本の映画が、まったく別の印象を残すのだから面白い。
まるで複雑な格子鏡のようだと思った。
「ベンジャミンバトン」でオスカーを取りそこなったフィンチャー監督の、「スラムドッグ」へのアンサー映画と考えるのは、もちろん行き過ぎだとは思うけど。
Facebookの創始者であるマーク・ザッカーバーグの半生(半々生?)を創作ドラマを交えながら綴る2時間。

始まりは2003年のハーバード大学。
天才的プログラマーのマークは彼女にフラれ、酔った勢いで女の子をランキングする下世話なサイトを一夜にして創造し、2万2000という膨大なアクセス数を記録。
結果、汚名と才能を世に残した彼は、大学の先輩から新しいソーシャルネットワーク立ち上げの誘いを受ける。
一旦は引き受けたものの沸いてくる独自のアイデアが先行し、結局は親友と「ザ・フェイスブック」を創り上げた。かかった期間わずか数ヶ月。
アイデアを盗用されたと激怒する先輩達を余所目に、フェイスブックはますます拡大していく。西海岸へ進出するにあたりナップスターの創始者であるショーン・パーカーとも交友を深めるマーク。
親しい友人達との創作物が、ビジネスの最先端へと押し上げられる。
かくして億万長者になったマーク。
先輩に訴えられ、友を無くし、女性一人を手に入れられなかった天才。
いまやフェイスブックの評価額は500億ドルである。
主演のマーク役に去年「アドベンチャーランド」「ゾンビランド」といったB級ランドモノで活躍したジェシー・アイゼンバーグを起用。怒涛の早口台詞がまぁ素晴らしい出来で“超頭良いマーク・ザッカーバーグの世界”にまんまと吸い込まれてしまった。
現在の訴訟シーンと過去の回想シーンを巧みに織り込んだストーリーライン。随所で捲くし立てるように繰り返されるジェシー・アイゼンバーグの早口。誰にも縛られない立場にいるという優越感。
これらが合わさったスピード感と高揚感で、映画はあっという間に終わる。なんと爽快なことか。やはりフィンチャーは観客をトランス状態にするプロだ。
高揚感が静かに冷めていくラスト。
ふと自分の中に還っていく主人公の、生暖かな視線に共感する。
文句なしに面白い。
そして確かに、この映画はオスカーの器かもしれない。
ここ数年の受賞映画を思い起こしても、このタイプの勢いを持った映画の受賞が目立つ。
特に重なるのは、2年前にフィンチャー監督の「ベンジャミン・バトン」とオスカーを取り合う形になった「スラムドッグ・ミリオネア」だ。
貧しい少年がTV番組で巨額の懸賞をものにし、イカサマ容疑で尋問されるシーンと幼年期からの回想シーンを、リズミカルな編集・音楽でスピーティーにまとめた「スラムドッグ・ミリオネア」。
どちらの行き着く先も億万長者。
欲しかったものは女の子1人。
物語も演出も近い2本の映画が、まったく別の印象を残すのだから面白い。
まるで複雑な格子鏡のようだと思った。
「ベンジャミンバトン」でオスカーを取りそこなったフィンチャー監督の、「スラムドッグ」へのアンサー映画と考えるのは、もちろん行き過ぎだとは思うけど。
コメント
スピード感があるのはダッシュで書いたからかもしれません^^
>題材的に劇場じゃなくても感
確かにストーリーラインを観るとドラマタイプなのでDVDで良いように見えますが、実際に観るとフィンチャー監督が意図的に高揚感で観客を飲み込もうとしているのがわかります。
映画館観賞お勧め度というのが1~5であるとしたら、ソーシャルネットは4レベルくらいで映画館観賞がお勧めの映画です。吹替しかやってないとかでなければ。
>題材的に劇場じゃなくても感
確かにストーリーラインを観るとドラマタイプなのでDVDで良いように見えますが、実際に観るとフィンチャー監督が意図的に高揚感で観客を飲み込もうとしているのがわかります。
映画館観賞お勧め度というのが1~5であるとしたら、ソーシャルネットは4レベルくらいで映画館観賞がお勧めの映画です。吹替しかやってないとかでなければ。
2011/01/21(金) 13:01:17 | URL | オビ湾 #-[ 編集]
むむぅ、なるほど。
そう言われると、ちょっと劇場で観たくなりますね…。
行けそうだったら行ってみます!
ありがとうございます!
そう言われると、ちょっと劇場で観たくなりますね…。
行けそうだったら行ってみます!
ありがとうございます!
うーん、すごくおもしろそうかも…
ネットネタを映画にするというのが、なんだかすごーく堕落(映画にとって)って気がしてパスしてました。
とりあえず、週末ラプンツェル観ることになってます…理由は聞かないでください(笑)
ネットネタを映画にするというのが、なんだかすごーく堕落(映画にとって)って気がしてパスしてました。
とりあえず、週末ラプンツェル観ることになってます…理由は聞かないでください(笑)
2011/01/28(金) 06:56:52 | URL | 紺碧 #8IgtKjlw[ 編集]
ソーシャルネットは演出で語る映画なので、じっくりヒューマンドラマを見ようとおもうとNGかもしれません。
でも作り方がすっごく上手いですよ。
ラプンツェルもうやってるんですね。
僕は字幕で観たいのでDVD待ちです。
でも作り方がすっごく上手いですよ。
ラプンツェルもうやってるんですね。
僕は字幕で観たいのでDVD待ちです。
2011/01/28(金) 08:20:25 | URL | オビ湾 #-[ 編集]
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スピード感のある切れ味鋭いレビューですね。
さすがにこれだけ話題だと観たいと思ってるんですが、
題材的に劇場じゃなくても感が漂ってるので
どうしようか迷ってます。
アカデミー賞もコレなのかな~。やっぱり。