冷たい熱帯魚★★★★★

強烈な内容なので、気持ちが頑丈でない方はご遠慮ください。

「愛のむきだし」の園子温監督による、埼玉県愛犬家連続殺人事件を模したサイコ映画。劇中の台詞や主人公の設定から、 山崎永幸著「共犯者」を原作としているのかと思ったが、公式に謳っているわけではないらしい。
台詞や状況はほとんど「共犯者」そのままのエグさだが、さすがに屍●などの表現はない。

冷たい熱帯魚★★★★★
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事実は小説よりサイコなり
超絶肉弾戦サイコホラー


舞台は静岡県にある2つ熱帯魚屋。
小さな店を営む主人公・社本は、実の娘、それに数年前に再婚した妙子と3人で暮らしている。
ある日、娘の万引き事件を切っ掛けに大型店舗を展開している村井と知り合うことになる。村井は口達者でカリスマ性があり、社本の家族をあっという間に取り込んでしまった。

最初は人の良いだけの村井だったが、ピラルクの養殖話を持ちかけられたあたりからその本性を見せ始める。
社本と同じように共同経営者として呼ばれた吉田を、投資金をグズッたという理由で毒殺。社本には家族への危害を仄めかし、遺体の解体?始末を手伝わせた。

その後しばらくして、村井の用心棒役だったヤクザとその運転手を同様に殺害。
いつもどおりに遺体を“透明化”した。
“透明化”とは実際の愛犬家殺人事件で犯人が使用していた表現そのままであり、文字通り綺麗さっぱり異体をこの世から消滅させることを意味する。

村井を恐れ、良心の呵責に押しつぶされながら事件に関与してきた社本だったが、この後に発生する村井との衝突により狂気の解放へと向かっていく。
ヤクザとその運転手の殺人までは事実をベースとしているが、それ以降は園子温監督オリジナルの展開へ移行する。
まさにザ・ソノシオン・ワールド。続きは是非その目で。


いやぁしかし、驚くべき訴求力。素晴らしい描写力だ。
カットも演技指導も細かかろうが、コマにまったく隙が無い。
ただただ、なにかそこにありつづける迫力。まるで見えないモノリスが立っているかのようだ。

吹越満の弱気で無骨な印象と、でんでん(!)のサイコ野郎っぷりがドハマリでこれまた突っ込みどころなし。
取り巻く女性陣の“台詞っぽさ”がむしろこのサイコワールドの茶番っぷりを引きたて、盛り上げてくれる。

前半の「共犯者」ストーリーで丁寧に惹きつけておいて、最後はソノシオンワールドへ勢いそのまま突入させるという、監督の変態的手腕に絶句。
すさまじい完成度なり。
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