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イリュージョニスト★★★★★

◆イリュージョニスト★★★★★
いりゅーじょにすと
21世紀に蘇るジャック・タチ最新作
シルヴァン・ショメの「ライムライト」!


前作「ベルヴィルの三姉妹」で一躍スーパースターになったシルヴァン・ショメ監督による新作アニメーション映画。

芸で生計を立てたいがうまくいかない壮年の手品師タチシェフは、スコットランドの離島にある酒場で1日限りの小さな仕事を請け負う。
その店で出会った言葉の通じない女の子アリスは、彼を魔法使いだと思い込み、行動を共にするようになる。
タチシェフはアリスを娘のように可愛がったが、手品師稼業では自分が生きていくのに精いっぱいな程度の収入しかなく、やがて慣れないアルバイトも行うようになる。

そんな苦労を知ってか知らずか、アリスは徐々に洗練された女性へと成長し、普通の男性と普通の恋をして・・・

タチシェフとアリスの出会いと別れの物語。
素晴らしい脚本。そして素晴らしいアニメーション。

この脚本を書いたのは「ぼくの伯父さん」で有名なフランスの映画監督兼俳優のジャック・タチ。「イリュージョニスト」は元々彼の喜劇大作シリーズの一つとして映画化される予定だったが、諸般の事情でお蔵入りとなったらしい。
その内容は如何にもサイレント・コメディの巨匠達に送るオマージュであるが、実際には彼の生涯そのものが投影されているらしい。是非原本も見てみたい。
(おそらくアリスは噂の私生児の投影。辛くて映画に出来なかったのかもしれない。)

そんなジャックタチの切ない脚本を見事に作品化したシルヴァン・ショメ。
本作のアニメーションは偉業と言って差し支えない。
この映画の難しいところは、プロットの展開が台詞によってならず、無声映画の如く登場人物の細かな動きによって作られているところである。そのため、終始カメラは引いた位置から人物の全体像を捉え、細かな動きに意味を持たせている。
忙しなく動く手、ぎこちない足取り、泳ぐ眼球。ジャック・タチのパントマイム魂を引き継いだかのような、丁寧な演出が見られる。

もちろんショメ独特の強烈なデフォルメ調も健在。5秒で理解できるキャラクターがわんさか登場し、ユニークな動きで画面を盛り立てる。その1人1人に、憐みに類する共感をたっぷり含んだ愛情が注がれている点も変わらない。
このように影の深い魅力ある登場人物たちを、水滴ひとつに拘りを持てる制作陣が動かすのだから、それはもう出来るものが出来るわけである。

そうして出来上がったこの映画のプロットは、どの時代にも起こり得る不変の寓話だ。ジャックタチが愛した無声映画、中でも「ライムライト」や「街の灯」と言った名作が取り上げたテーマでもある。

失われてしまった物への想いで満ちている「イリュージョニスト」。
旅立ちの列車に居合わせる幼女がアリスと同じ左利きというのは、涙腺を刺激するのでご勘弁願いたかった。
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