眠れぬ夜の仕事図鑑(85点)
◆眠れぬ夜の仕事図鑑
★★★★★★★★☆☆(85点)

おとなの無党派社会見学第二弾
人はなぜ、夜景を見るのが好きなのだろうか。
なぜ、工場のあかりでこころ穏やかになるのだろうか。
夜に灯台を仰ぎ見る船乗りも同じ気持ちになるのだろうか。
僕らは眠っても、僕らの世の中は眠らない。
その辺のアンチフードシステムとは次元が違ったドキュメンタリ―「いのちの食べ方」のニコラウス・ゲイハルター監督最新作。今度は僕らが眠っている時に働いている人々にカメラを向けた。なんと夢の様な組み合わせだろう。
同時通訳、動物病院、国境警備、火葬場、風俗、イベント会場…
シュールに映し出される彼らの日常に惹きつけられる。そしてなぜか、癒される。僕らがぐっすり眠ることができるのは、こうした人たちが夜の世の中を支えてくれているからだ。
さすが「いのちの食べ方」の監督である。
前作の食システムと幾何学的な映像を引っ掛けたような映像美とは少々異なるが、様々な職業映像を思想提示もなく作品にしちゃう手腕はすごい。
観る人を選ぶ映画だけれど、疲れた大人たちにウトウトしながら見てほしい作品。
うだるような猛暑の渋谷。シアターイメージフォーラムの地下に至高の癒し空間を見た。
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