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少年は残酷な弓を射る(85点)

◆少年は残酷な弓を射る
★★★★★★★★☆☆(85点)
0000000000000少年
母は子を、子は母を作る

母親を演じるティルダ・スウィントンと、息子役のエズラー・ミラーが素晴らしい演技を見せる怪作。

女性冒険家として名を知られていたティルダは、ジョンライリーの熱心なアプローチに負けて結婚し、懐妊する。しかし自身が妊婦であることに馴染めないのか、マタニティーブルーになってしまう。その後ケヴィンは無事に産まれるものの、彼女が普通の母親らしく喜ぶことは無かった。
それでも母親のすべきことはする。しかしケヴィンは一向に彼女になつかない。精神を病んでいくティルダ。(泣き止まない赤ちゃんを連れ、工事現場の真横で静寂に浸るような姿は、もう、恐ろしいとしか…。)
言葉がわかるくらいまで成長すると、ケヴィンが母親を嫌悪していることがわかってくる。

何故、彼は母親が嫌いなのか。生まれながらに母を憎んでいたのだろうか。
本作は母親の視点から“異常に不気味な存在”である息子の成長を追っていく話である。
と同時に、構成上は“ある事件”の後の母親が、息子との記憶をフラッシュバックさせるというスタイルを取っている。鑑賞者はズタボロになった母親の姿を見て、いったいこの母子に何が起こったんじゃーい、という具合にのめり込むのだ。
まぁ事の次第がわかったところで、なんら心落ち着くことはないのだが…。


スリリングで迫力のある演出と、今年最高クラスの演技により、「少年は残酷な弓を射る」は際立った不気味さを放つ“数奇者向けの極上エンタメ”に仕上がっている。ティルダの好演は言うまでもないとして、とにかく尾を引くのが新人エズラー・ミラーの演技。こいついったい何者なんだっていう。中性的な押しがすごいと思ったら、どうやらバイセクシャルを公言しているらしい。それ自体はまったく問題がないのだが、「ゲイ的な体験したことのない人は、人生の現実と対峙するのを避けようとしている」とまで言い出すトンデモ君らしいのだ。いいぞ!もっとやれ!

で、まぁこんな感じの作品であるから、鑑賞者のスッキリポイントなんて当然用意されていない。ただ、最後の少年院(事件から2年後)で、突然息子を抱きしめる母親の姿。あれが唯一、人それぞれ何かしら手応えを感じられそうなシーンである。
自分はこの母子は似た者同士だなと思っていたから、瞬時にゲド戦記一巻の結末が重なった。
ゲド戦記一巻は、自分の才能に慢心したゲドが、そのおごりから“影”という悪しき存在を生み出してしまい、そこからひたすらに逃避する話である。しかし“影”の持つ闇が自分自身であると悟ったゲドは、“影”を自分の名で呼び、胸に抱いて一つになる。
ひょっとしたらこの映画の母親は、衝撃的な事件と、苦痛に満ちた2年を経て、ようやく、ケヴィンが実の息子であることを受け止めることができたのかもしれない。
なんだ、ハッピーエンディングじゃないか。
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