◆モンスターズ・ユニバーシティ(80点)

◆モンスターズ・ユニバーシティ
★★★★★★★★☆☆(80点)
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希望が見えてきた

あの「モンスターズインク」が11年の時を経て復活。しかも続編ではなくて彼らの大学時代を舞台にする~という、ちょっとダサくて不安な設定…。
ピクサーは「カーズ2」でNOVAウサギ級の失墜を味わった後、「メリダとおそろしの森」がまさかのアカデミー長編映画を受賞して復活をアピールした。しかしメリダ自体は実際そこまで良く出来た映画とは言えず、往年のファンを含めていまだ懐疑的な目でピクサーを見ているというのが実情だろう。
しかも安直なシリーズもの。その点で厳しい評価が海外で注がれているのは仕方がないかもしれない。

とはいえ、それでも平均点以上は(カーズシリーズを除けば)固いピクサーであるし、音楽はランディーニューマンだ。劇場で観ない手はない。

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モンスターズ・インク社に工場見学に行った幼少期のマイクは、モンスターズ・ユニバーシティ卒の怖がらせヒーローを見て感動。将来は怖がらせ屋になることを決意する。(この時貰ったMUの帽子を、マイクはその後もずっと大切に使用している。)

憧れのモンスターズ・ユニバーシティに入学したマイク。
しかしちょっとしたヘマをやって”怖がらせ学部”を追い出されてしまう。なんとか復学を認めてもらうべく、同じく”怖がらせ学部”を追い出されてしまったサリーと、ダメダメクラブ”OK”の一同と協力して”怖がらせ大会”に出場することにする。

リーダー気質だが本人が怖くないマイク。
怖がらせ名家の出身で我が強いサリー。
どう考えても取り柄が見えないOKクラブの冴えない学生達。

理想的なチームとは言い難いが、マイクの高い意識で刺激されたメンバーの怖がらせ能力は日々向上。ついには名クラブRORとの決勝戦まで進むが…

幼少時代からの夢をかなえるべく、誰よりも努力し、どんな苦難にもめげなかったマイクが直面する、どうにもならない現実。
親友マイクの窮地にサリーが打てる手はあるのか……。
続きは劇場で。

この映画におけるマイクとサリーは、"学園のヒーロー"と"身内にしか尊敬されない努力家"という組み合わせで、寄宿舎モノの児童書とかによくある王道コンビ。
二人の新しい立ち位置は、キャラクター設定の奥深くを見るような楽しさがある。
また、前作を連想させるシーンやキャラクター、小物も出し方もいやらしさがなく、ファンとして気持ちよく見ることが出来た。
前半から中盤にかけて、平凡なお決まりシーンが忙しく消費される部分がやや魅力に欠けて残念ではあるが、終盤の展開は独創的で楽しかった。シリーズものの弱点をよくわかっている脚本だ。

久々にピクサーマジックの片りんを垣間見れたというべきだろうか。
どんな苦境でも腐らずに進もうとするマイクのキャラクター像に、モンスターズインク世界の説得力を見た気がする。

どんなに頑張っても上手くいかないことはある。費やしただけの努力が帰ってこないことなんて山ほどある。人生を費やしてきた夢だって、いつかは諦めなければならないかもしれない。
それでも、あなたが前を向いている以上、あなたの前にはあなたの道が切り開かれるのだ。
モンスターズ・ユニバーシティは、往年のピクサーを想わせるポリシーを持った映画だった。
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