BG紹介:エル・ガウチョ

最近出てきたデザイナーで、「辛いだけでいいのか」でもキレがあったA.D.フューラーによる新作「エル・ガウチョ」。国内ではゲームマーケット2014秋でバネストブースで販売された。発売当日からなかなか評判も良く、ボードゲーマーに好かれそうな地に足ついたシステムが個人的にも好印象だ。

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よくある長方形L箱、よりは少し小さいが、中箱というには少し位大きいくらいのアレ。
イラストがいい。ボックスアートが親父のゲームに外れなしというのがこの世界の常識だ。
このメーカー、最近ちょろちょろと見かけるが、どうも10周年らしく、ごらんのとおり箱の下部分にそう書いてある。

ところで「エル・ガウチョ」というタイトルだが、ガウチョとは南米における所謂カウボーイである。ガウチョパンツなら知ってるという人もいるだろう。そう、あれを本来履いている人らのことだ。
プレイヤーはこのガウチョを雇い、牛を効率よく集め、効率よく売却することで一番の金持ちになることを目指す。

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中身。
四つ折りのボード、5種類の牛タイル(各1から12)、ガウチョ駒、サイコロ、そして柵。
高品質でイラストも良い。

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ゲーム開始の図。
左奥に見える柵はダイス専用のボード上トレーだ。立体的で見た目が実にいい。
その右側のスペースには牧場が広がり、牛タイルが並んでいる。ゲーム中、牛を取りに行くのはこのタイル置き場だ。
下のスペースにはガウチョたちの施設が並んでおり、それぞれ駒を置くことで発動できる特殊アクションがある。

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ラウンドが始まるとスタートプレイヤーが人数+1個のダイスをスルー。
このあと、プレイヤーたちは順番に出目を2個ずつ選び、それに応じたアクションを実行していく。
もちろん後手番ほど選べる出目が少なくなって厳しいが、スタートプレイヤーはラウンドごとに交代なのでおおよそ公平だ。
ちなみにダイスの出目は足して1つの数字として扱うことも可能だ。

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もっともベーシックな出目の使い方は、ガウチョに牛を捕まえさせるアクションである。
牛タイルの左上には大きな数字が書かれており、この数字の出目を使えば牛を確保することができる。確保できる場合はガウチョを立てて牛タイルにおく。
それが無理な場合でも、右上にある小さな数字の出目を使うことで、牛にしがみついて予約することができる。上の写真はまさにその状態で、この場合は駒を寝かせておく。
ちなみにさらに右上の小さな数字の出目を使うことで、寝ているガウチョを立たせることができる。

牛タイルを取る以外のアクションとして、先ほど少しふれたガウチョたちの施設がある。
ここにガウチョを配置することで「寝ているガウチョを2人立てる」や「人の牛タイルを盗む」などといった特殊なアクションを次ラウンド以降発動させることができるのだ。
施設は出目ごとにおける場所が決まっており、もちろん出目の大きいものほど効果が強烈だ。

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ラウンドの終了時にすべての牛タイルにガウチョが置かれている(立っているかいないかにかかわらず)列は、牛回収が行われる。この時立っているガウチョがいる箇所のみ、ガウチョの持ち主は牛タイルをゲットできる。寝ているガウチョの牛タイルは引き続きおかれたままだ。
回収がすんだら牛タイルは列の合計数字が20を超えるところまで補充される。

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回収した牛タイルは種類毎にプレイヤーの前に並べなければならない。
この時、以前に並んでいる同種の牛タイルに対して、降順か昇順に並んでいなければならない。つまり、クニツィアのケルト方式である。
もしこのルールに従えない場合は、それまでに並んでいるタイルを売却し、新しい列として始めなければならない。

ちなみに牛タイルの売却価格は、
左上の数字の最大値×その色の牛タイルの枚数
である。
数字が小さいタイルが多くとも、1枚12があれば12×枚数の得点だ。

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終盤の図。
最後のほうになると「牛を盗む」という施設アクションの人気が高まる。
最後にはすべての列を清算するので、その時までに12があればよいのだ。逆に盗まれるのがいやであれば、これまた施設アクションの「即座に5金ボーナスありで売る」を使用すればいい。

何度か遊んでみたが、牛の値段にしろアクションの効果にしろ、すべては出目の数値を基準にしているため自然とバランスが取れている。最初は盗むのと駒を立てるのが強いと思ったが、いずれも使いどころによるようになっている。特に盗むをされたプレイヤーには牛の価値と同値の保険が支払われることになっており、前述のバランスが大きく崩れないようになっているばかりか、盗まれる方もそこまで精神的なダメージがなくて良い。

【評価】
   7.jpg

【所感まとめ】
「ストーンエイジ」のように出目を使ったアクションを行い、「ケルト」のルールでセットコレクションしてお金を稼ぐ。
まさにドイツゲームらしい安心できるシステムの牛飼いゲームです。
ダイスの出目を軸にしてアクションや牛獲得難度のバランスがとられており、差がつくのは「牛の売り方」という部分にフォーカスがあるのも良いと思います。

◆記事に出てきたゲーム


◆本日のフューラー・ピックアップ

中古ボードゲーム辛いだけでいいのか (Scharfe Schoten)
取りたい色と取りたくない色を選んで始める予測系トリックテイク。手札だけではなかなか読み切ることが難しく、もだえる。イラストがまた良いのだ。
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