BG紹介:デザインタウン

ゲームマーケット風物詩のひとつに、スワンパナシアなどから拡大していった台湾のゲームメーカーの出展がある。彼らの特徴はアートワークの点で極めてすぐれているということだ。システム的には荒削りというか、未完成なんじゃないかと思うものもチラホラあるが、見た目という点では国内メーカーよりも洗練されている印象が強い。
今回紹介する「デザインタウン」はモアイデアゲームデザインがリリースしたもので、デッキ構築系×バーストゲームという新しい切り口でシステム的にも見るところのあるアイテムである。
同メーカーは今年「鋼鉄と火薬」もリリースし、国内での知名度も上がってきたことだろう。

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個人的に台湾は大好きだが、その理由の一つには、彼らの親日なところにもある。
どれだけ日本に市場があるのかはわからないが、自ら日本語版をリリースしているのだからすごい。
上の2つのボックスはデザインタウン日本語版の初版(右)と二版(左)。なぜか大きくなった。カードがきっちり収まっていたのに、大きくなってしまったせいで余分な隙間ができ、ガタガタと箱の中で動くようになってしまったのはとても残念だ。

イラストの良さは台湾ならではだが、街づくり×ポップの組み合わせは初版よりも前に出ている「街コロ」の影響があったのではと推測する。どちらもテイストは似ているが、スマホゲーム的な街コロよりも、アメトゥーン的なデザインタウンの方が個人的には好みである。カードがつながって街になるところも良い。

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中身。カードのみで、エンボスはかかっていないが、厚みもありチープな印象は受けない。
初版ではカード効果のみが日本語で建物名は英語だったが、二版からは全て日本語化されている。
カードの種類は非常に少なく、全5種類である。少なくてびっくりすることだろう。しかしカードは両面使用になっており、表(カード下部が白)の建物をバージョンアップして裏(カードの下部が黒)の建物にすることができるようになっている。
つまり、建物は全部で10種類あるわけだ。

プレイヤーは我が街の市長となり、これらのカードをうまく運用することで一定の名声点を目指すのである。
具体的には、デッキを街に見立てたデッキ構築ゲームをするのだ。

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プレイヤーの初期の街(つまり初期デッキ)は写真のとおり。※アパートが抜けてました。
もっともしょぼい建物である「住宅街」が4枚。「アパート」が1枚。それ以外の建物を表向きで1枚ずつ。これらを表裏が変わらないようにシャッフルし、ゲーム開始である。
あ、そうそう。カードは両面使用なので、シャッフルの仕上げはテーブルの下などで自分にも見えないようにしよう。

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手番が来たら、デッキの上から1枚ずつカードをプレイしていく。
カードにはお金アイコンや勝利点アイコンが記載されており、好きな枚数だけ自由にカードをプレイしていくことができる。プレイするのをやめた段階で、プレイされているカードのお金を使って建物の購入やアップグレードをすることができる。

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ただし、NGアイコンが3つプレイされたら、その手番は購入もアップグレードもできずに即座に終わってしまう。つまり、バーストゲームだ。カードの赤いダメそうな顔アイコンがNGアイコンである。
でも、自分でプレイを止められるんだから、3つ溜まることはないんじゃないの?って思うだろう。確かにその通りだ。しかし、このゲームには止めたくても止めさせてくれない建物効果がいくつか存在するのだ。その中でも最も頻繁に出てきて厄介なのが、「住宅街」である。「住宅街」にはNGアイコンがついているのだが、カード効果として、「住宅街」が山札の一番上にある場合はストップできず、絶対にプレイしなくてはならないのだ。
この「住宅街」をそうそうに「アパート」にアップグレードするのがプレイのコツだろう。

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ゲームの目的は、誰よりも早く勝利点アイコンを8つ同じ手番でプレイすることである。ランドマークな建物についているこのアイコンを集めていくことが中盤以降の主な活動になっていく。例外として、18枚カードをプレイすることで即勝利できる「コンビニエンスストア」があるが、条件が厳しいのであまり現実的ではないだろう。

このゲーム、自分は結構お気に入りなのだが、その理由は
買うことと、蛇口を捻ることしかできない
という、プレイヤーの舵取りポイントを大胆に絞ったシステムだ。
考えることはできる。舵も取れる。しかし実際の運用がうまくいくかは運の要素も大きく、このゲームをとてもカジュアルなものにしている。

【評価】
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【所感まとめ】
カードの表と裏を上手に使ったゲームです。カジュアルで、見た目も良く、ライトな感覚で楽しめるでしょう。
若干カードの効果にややこしいものがあるため、「街コロ」ほど初心者に対するプレイアビリティの高さがあるわけではありません。ただ、目指しているところは「街コロ」とも共通するところがあると思われ、1つのアプローチとして興味深いと思いました。

◆街コロ
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