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ラースと、その彼女★★★★★

奇抜な設定にも関わらず、それを振り回さない穏やかな世界観をつくりあげた作品「ラースと、その彼女」(Lars and the Real Girl)。

?内気な青年が家族に紹介したガールフレンドは、セックスドールだった・・・。

設定とあらすじだけを聞くと凡作しかイメージできないかもしれない。
奇抜とは言えこれまでに無かったアイデアではないし、そういう類の映画が行き着く先は、大抵同じところである。普段なら。

ここから先はネタバレるので、今後観てみようという方はご遠慮くだされ。
とりあえず自分はこの映画、年1本ペースの★5つである。

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(2009/08/05)
ライアン・ゴズリングエミリー・モーティマー

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主人公のラースは普通に仕事もしている20代後半の男性。
性格は物静かで誰からも慕われているが、人との係わりを持ちたがらない。
愛情を持って接されることすら苦痛に感じている。
つまりラースは、幼少期以降の経験から精神的病に侵されているという人物像。
その彼が(言い寄ってくれる女の子がいるにも関わらず)連れてきたのがセックスドールのガールフレンド、ビアンカだ。

人の良いラースが突然起こした奇行。
初めから手を差し伸べられる人、そうでない人など様々。
それでもラースが心からビアンカを想っていることを知ると、町は一つになって2人(正確には1人と1体)を見守っていくことになる。

2人の関係が受け入れられることで、ラースにも変化が訪れる。ビアンカを通して人とのつながりが生まれたからだ。ラースはビアンカを媒体にして人々の愛情を理解し、人々はビアンカを媒体にしてラースを理解する。
ラースが人と交わることが出来たとき、ビアンカはどこへ行くのか。
ビアンカを愛することと、人を愛することはどう違うのか。

「全てはラースの決めたこと。」
うん。でもそれだけじゃない。
回り道が必要だったのは彼だけではないのだから。
この映画の意図するところはとてもわかりやすく、感動的だ。

脚本の素晴らしさは第80回ノミネートでお墨付き。
これだけ奇抜な色の濃い物語を、地味に、テーマに対して実直に作り上げたことは驚きとしか言いようがない。
この設定なら派手な展開は幾らでもできる。でもしない。あくまでラースと、彼を取り巻く人々の関係だけを描いていく。
こういうとネタの面白さが活かせてないように聞こえるかもしれないが、笑い所は各所に散りばめられている。しかも一切下品さを感じさせない爽やかさまで持っているからすごい。なんて気持ちの良い脚本なんだろう。

キャスティングの妙にも注目したい。
「この作品は9割がた配役で決まるんだ」なんて発言が監督から飛び出したときはどうかと思ったが、配役についてはぐうの音も出ない。
ラース役のライアン、カリン役のエミリー・モーティマーは開幕5分の掛け合いだけで映画の完成度を物語る。主要所から脇役までブレのない選択。その全てが映画の趣旨を理解しているに違いない。

程よい上映時間と的を捉えた劇伴もあわせて、とても気持ちの良い出来上がり。
「ビアンカは必要だからやってきた。」
ありがちな言葉でも、この映画の中では光る。

もっとすごい映画はいっぱいある。でもこういう映画はそうそう作れるもんじゃない。ジュネのアメリのように、変態監督から偶発的に生まれるものなのかも。
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