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1978年、冬。★★★☆☆

超ピュアな青年とその弟、都会から移り住んできた少女の物語。
内容は“究極に非都会的な”恋愛劇である。

1978年、冬。 [DVD]1978年、冬。 [DVD]
(2010/01/29)
チャン・トンファンリー・チエ

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青年は真面目とは言い難く、勤め先の工場も休みがち。
秘密基地でラジオを聴き“開けた文化”を夢想する彼は、北京から越してきた都会的な少女に恋をする。

気弱な弟は少女に可愛がられるのだが、青年の想いはなかなか正しく伝わらない。
情熱を伝える術を知らない青年は、(いまでいう)ストーカー行為を行なってしまっていた。
それでも想いは伝わるもので2人は良い仲になっていく。

しかし、婚前交渉の発覚や青年が軍隊に召集されたことで雰囲気は一変する。

残念ながらこの青年、兵役から生きて返ってくることができない。
海上任務中に嵐に遭遇し、国宝を守るために殉職したのだという。

夜中に起き、兄の遺影を見つめる弟。
青年の家を見つめ、立ち尽くす少女。

最後は青年がいなくなった家族3人の集合写真で幕を閉じる。


この映画、向こうからは一切踏み込んできてくれない。
不親切なネオリアリズモ。または犯罪のないフィルムノワール。
殺伐とした情景に遠巻きから人物を写し、台詞も極端に少ない。
故に、こちらから登場人物に踏み込まないかぎり、何も見えてこない。眠いだけだ。

踏み込むと、モノクロのように見えていた情景が現実味を帯びるようになる。
そこには身を斬られてしまいそうなほど痛々しい純朴さがある。
何も分からない青年少女が、その若い時間をもがきにもがいた痕跡である。

徹底したビジュアルと静寂に放り込んだ感情表現が活かされており、ポテンシャルを感じる映画である。しかし賈樟柯(ジャ・ジャンクー)作品のように取り付くしまも無くなってしまう手法とは少々方向性が異なるように感じる。
もう少し、ほんの少しだけ鑑賞者よりになるだけで、ぐっと心に迫る作品になるのではないか。(そうするつもりは本人には無さそうだが。)
上から目線になってしまい恐縮だが、リー・チーシアンは次世代のチャン・イーモウになれる存在ではないかと思う。

日本人には楽しむのが難しい作品かもしれない。
文化大革命直後における“若者の実態”がピンとこないところがあり、なかなか物語の本質に鑑賞者の心が届かない。足りない情報は子供のころの記憶で保管してほしいのであろう、と思われる部分もあった。
原題「西幹道」から邦題を大きく変えた理由も時代背景を少しでも分かりやすくするためと思われる。
それに前述したとおり、まずは踏み込む覚悟が必要である。
中国国外で鑑賞される際にはやや敷居が高めと感じた。

現時点では★3つしかつけることができないが、この作品に秘められた情熱は★5つに充分値するように思う。
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