(500)日のサマー★★★★☆

“はじめに言っておくが、この映画は恋愛映画ではない。”

これは「(500)日のサマー」冒頭に述べられるメッセージである。
この映画を観た人は、それを嘘だと言ってもいいし、本当だったと言っても良い。
この言葉の真意を確かめるという視点だけでも、この映画には観るおもしろさがある。

観た後ずいぶんと放っておいたのは、この映画があまりにも“オタク的”であるため、観ている最中は常にニヤニヤしてしまって、もう楽しくて内容なんかほとんど覚えていなかったからなのだ。

んで、なんで今になって掘り返すか。
それはつい先日、ジムキャリの「イエスマン」を観ていて、やっぱり絶対絶対、ゾーイ・デシャネルはめちゃんこ可愛いのだという確信にいたったから。
最初に彼女を観たのは「AlmostFamous(あの頃、ペニーレインと)」で、S&Gの歌詞になぞってスチュワーデスになった、あの綺麗なお姉ちゃんを演じたときだった。(今回も重要なシーンでS&Gのブックエンドが流れたけど、「AlmostFamous」でも同じアルバムからの選曲だった。これって偶然?)
あれからもう10年。多数の綺麗どころを演じてきた彼女だけど、やっぱり“変人だけど可愛い子”が完璧なはまり役だ。

500nichi_main_s.jpg
運命の恋と真実の愛を信じる主人公トム。彼の職業はカード専門のコピーライター。
あるとき上司の秘書として同年代の可愛い女の子、サマーが入社する。
一目ぼれしたトムは、おおよそ男性ならば誰でも共感できるこっ恥ずかしい試練を経て、ついにサマーと良い仲になれたと思ったのだが・・・・。

サマーは格好も中身もちょっとしたヒッピー気質。
運命の恋なんて信じちゃいないし、いつ終わるかわからない関係に約束なんてしたくない。
ヘンテコな用でヘンテコでない、妙にリアルな2人の500日間。
時系列を巧みに操作しながら物語は進んでいく。


この映画、とにかく魅せ方が新鮮で小気味良い。
先ほど“オタク的映画”と言った理由のひとつでもあるが、「アメリ」や「アニーホール」といった過去の変態的恋愛映画の影響(というかもう、オマージュ?)が随所に見られる。

シーン繋ぎの演出がとてもコミカルで、俳優人の名演とあいまって最高に笑わせてくれる。特に2つの映像を使った妄想と現実のユニークなシーンは超納得&超リアル!もうあるある過ぎてコメントが出ない。

物語を包む雰囲気にも独特のものがある。それはこの映画が“何か決まってしまっている結末”に向けて、モヤモヤと、しかし確実に進んでいく残酷さを持っているからなのかもしれない。
「頑張ればまたうまく行くかも!」
こういう悲しい希望。男子なら少なからずわかっちゃう気持ち。
なんとも心を打つじゃありませんか。

最後のベンチでの会話。それ言うのってすごくずるい、って思うのと同時に、何かが肯定されたあの場面。とても素敵。

そして。この映画のタイトルにある“500”って、括弧で括られてるじゃないですか。ねぇ。もう、サイコーですよ。この映画。

作品全体に漂うウィットな感覚が、なんとも良いセンス。
選曲なんかもう“ぐう”の音も出ない。

数年に一度の超傑作“恋愛映画”です。

追記:
ハンソロが出るよ!
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