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月に囚われた男★★★★★

ボウイの息子さんが監督をしていることでも話題になった「月に囚われた男」。
偶然か故意か、タイトルがジギー・スターダストのあの映画に似ている。

しかしまぁ。そんな情報が余計に思えるくらい、惹き付ける力のあるSF映画だ。
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【以下、重要なネタバレはしないようにします】
舞台は、そう遠くないであろう未来。月面資源採掘基地。
主人公のサムは、たった1人で採掘基地の管理を任されている技術者。
頼れるAI“ガーティー”と共に日々淡々と作業をこなし、残る任期はあと2週間。
「もうすぐ妻と子のもとに帰ることができる!」
というそんな時、幻覚に囚われた彼は採掘マシーンとの衝突事故を起こしてしまう。

医務室で目覚めるサム。
ガーティーは、自分が事故にあったのだと言う。(ここ、観客をだます地味なトリックになっています。)
しかし、どうにもガーティーの様子がおかしい。基地外への外出も認められず、何かを隠しているのは明らか。
彼は基地を何とか抜け出し、採掘マシーンの事後現場で信じられないものを発見するのだった。

この衝撃的な事件までが30分。普通だったら山に持ってくるようなシーンなのだが、この監督はそれ以降の話をとても面白く描いている。

自分の前に立ちふさがる矛盾と違和感を、1枚1枚剥がしていく主人公。
苛立ちながらも徐々に落ち着きを取り戻し、真実と向かい合っていく。
サムの演技に大きく頼るシーンが続くが、この俳優はそれに完璧に応えている。

隙の無い演出にも注目したい。
宇宙SFの基本ともいえる静寂、コンピュータの警告音、採掘機の騒音。
これらがSFミステリーらしい無機質な不安を煽ってくる。
随所に挿入される感情的な劇伴もいい。

見所は尽きない。
驚き、恐怖、諦め。密閉空間の中で揺れ動く複雑な感情。
「2001?」のHALを思わせる不気味なガーティーが、一転、自分側に立ってくれていることの安心感と意外性。

う?ん。巧みだ。

一見、70,80年代硬派SFのオマージュのようでありながら、実は近代エンターテイメントとして計算された映画。
設定とテーマ、観客の先入観からくる“恐怖感”だけに頼らず、主人公と共に物語を切り開こうとするような、新鮮で力強い脚本。
普通の硬派SFにハッピーエンド(と言えるかどうかは謎だが)はに合あわないが、この脚本であれば違和感がない。

SFの新しいマスターピースにもなりうる、見事な映画。ブラボー。
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