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借りぐらしのアリエッティ★★★★☆

今回宮崎駿が目をつけたのはメアリーノートンの床下の小人シリーズ。
監督を任されたのは未経験のアニメーター、米林氏。
なるほど。ジブリは着実に世代交代を進めているのだなと。

ジブリの若手といえば4年前。残念ながら吾郎氏の「ゲド戦記」は散々な有様となってしまったが、あれはそもそも未経験の監督が望むには大きすぎるテーマだったのだ。
それに対して「床下の小人たち」はコンパクトにまとまった物語だし、絵にしたい場面も多く、少々の毒もあって新人監督にはうってつけのテーマだ。


舞台は原作から場所だけを変えて、現代の日本。
古いけれど趣のある、大きな庭付きのお屋敷、さらにその床下に済む家族。
この物語の主人公である少女、アリエッティは父と母と共に人間から“借り暮らし”をして生きている小人である。
ある日、好奇心旺盛なアリエッティは父親と初めての“借り”に出かける。
仕掛け一杯の通り道、広大で山岳地のように険しい台所。初めての世界に酔いしれていた彼女は、絶対にあってはならないこと、“人間に見られる”ことになってしまう。

人間に見られたら引越さなければならない。人間に見られると、どうであれ、碌
な事にならないのだから。
事の深刻さはわかりながら、人間をそこまで悪く見ることができないアリエッティ。
勇気を出して、人間と今一度対峙するのだが・・・・


映画が始まって30分。丁寧に描かれた小人の世界に魅了される。
小人達が作った生活の場、借りの道具。あまりにも広大な屋敷。
そして何よりも印象的なのは音。
小人から見た人間界の音は、重量感たっぷり。
これはもちろん原作にもない要素で、小物以外のところで小人気分を味わえる素晴らしい工夫だった。

次にストーリーだが、原作とほぼ同じく“見られる”事以外に表面上これといって大きなイベントは無い。この映画がスポットを当てているのは、やはり人間と小人の関係である。
小人達は人間の物を借りながら暮らしている。人間は自分達のために存在していると思っている。でも見つかったら、逃げなければならない。
小人達が抱えている、矛盾。

作品の肝であるアリエッティと人間の関係だが、これは少々不親切だなと感じた。
原作の台詞をほとんどそのまま持ってきているのだが、人間を侮蔑する台詞が小人側から出ていないため、一方的に人間から壁を作られてしまったようにも見える。

とは言え、ポットにのって新たな地へ向かう夜明けのシーンには、ある種の“依存”から解き放たれていく家族の開放が気持ちよく描かれており、非常に後味の良い、綺麗な物語として帰結している。

美しい背景や小人の細かな動きなど、見るに飽きない世界。
媚びた演出など一つも無いのに、続きが観たいと思わせるアニメだった。
※興味のある方は是非原作を。ちなみにスピラーは原作2巻からの登場小人。
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コメント

久々に映画館で見たいと思っていたジブリ作品。
家だとサウンド設備が整ってないから、
音に注目だとするとやっぱり映画館に行きたいね。

"ジブリっぽさ"としてはどうだったのかな?
脚本が宮崎駿だから、大きな脱却はないかとも思ってるけど、
低迷してる昨今からジブリブランドとして希望が見えるといいんだけど。
2010/07/25(日) 23:15:17 | URL | むらちゃん #-[ 編集]
“ジブリっぽさ”を千と千尋以前のイメージとするのなら、この映画の雰囲気は違うかな。
ただ宮崎駿は決して作品を時代と切り離さない人なので、いまこういう作風になっていることは至極当然のように思う。そういう意味では“ジブリらしい”と思うのだけど。

ジブリは彼ら本人が考えているものとは別の使命を背負わされているように見える。だからハウル以降の宮崎駿のインタビューは愚痴っぽい。

今回もアリエッティと出会う少年の設定を、「快活な少年」から「心臓を病んだ少年」に変えて、現代の日本人を比喩するような人物にした。前者の方が映画のイメージのみならず、鑑賞者のウケも良いに違いないが。

今のジブリは“夢一杯のスーパー・アニメ・スタジオ”ではないけれど、「ポニョ」にしても「アリエッティ」にしても、“映画という総合芸術の中だからこそやりたいこと”はハッキリとしている。
アニメというよりは、映画という気がする。

ただし、今回の作品にスペシャル感がないというのは事実。ジブリとしては若手監督の作品をミドルクラスのプロジェクトと考えているのかもしれない。
2010/07/26(月) 08:04:25 | URL | オビ湾 #-[ 編集]
さすが深い見方。
ジブリ映画は作品に込められたテーマを読み取りたくなるんだよね。
毎回そんな風に鑑賞をしてるので、
ただのアニメーションという枠に収まっては欲しくない。
かといって、押し付けな主張は勘弁というわがままな客(^^;

百聞は一見にしかずってことで、近いうちに見に行きます。
2010/07/26(月) 22:51:30 | URL | むらちゃん #-[ 編集]
押し付けに見えないようにする、は、ジブリの課題だわな。もう慣れたけど。

そういえば披露宴の曲、映画音楽けっこう使ったんだけど、ポニョからは3曲も使ってたのだ。
発光信号とかめちゃ良い曲なんだよねぇ。
2010/07/26(月) 23:01:00 | URL | オビ湾 #-[ 編集]

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