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ぼくのエリ★★★★★、渇き★★★★☆

本日はヴァンパイア映画を2本。後半は楽します。

ぼくのエリ★★★★★
bokunoeri.jpg
猟奇事件の記事をスクラップし、夜な夜なナイフを持ち出しては良からぬシミュレーションをする12歳の男の子、オスカル。学校ではいじめられ、両親は離婚している。
そんな彼の住むマンションの隣部屋に、同年代の女の子“エリ”と中年男性が引っ越してくる。
孤独なオスカルは、どこかミステリアスなエリに惹かれるようになり、次第に親密な仲になっていく。

もちろんこの女の子はヴァンパイアなのだが、お付きの中年男性は真っ当な人間らしい。エリのために人を殺め、血を調達してくるのが仕事だが、物語中盤で警察に囚われ、挙句エリに血を飲ませて絶命してしまう。
ひとりぼっちになったエリ。

オスカルもやがてエリの秘密を知り、一度は距離を置くのだが、孤独が2人を結びつけるように2人の仲はより深いものになっていく・・・。
とまぁ、このくらいで。


用意された設定はそれほど変わったものではないのだが、“エリの元で壮絶な最後を迎える男”と“エリと出合って生きる意味を見つけた少年”という2つの関係を見せた事で、非常にエモーショナルで独特な物語に仕上がっている。

描写されるものの何もかもが不安定で、自然と2人の感情にしがみつきたくなる。
台詞に頼らず、勢いに頼らず、鑑賞者の中で理解が深まっていく心地よさ。

ホラー映画でありながら、この手の映画にありがちな嫉妬の感情さえ殆ど使用せずに、まっすぐな愛の終わりと始まりをただただ直視させる。
恐ろしい美しさを持った映画。

残酷描写もしっかりしていてまさにホラー映画ではあるのだが、観終わった後の感触はまったく別物。
オスカルが見つけたのは“幸せな愛”だろうか。彼自身にとってそうだとして、僕らの心に残るやり切れなさはなんなのだろうか。

1人の少年の新鮮な輝き、エリの抱える孤独、エリを愛した男の末路。
この映画は何も語らないが、観終わった後は感情でいっぱいになっている。


関東は銀座テアトルの単館上映。映画ファンは是非。

************************************************
ちなみに原作の「モールス」からはかなりの要素が削除されているらしい。これは原作者自らが映画向きに脚本をし直したものだとか。
聞き知る範囲では原作と見方がまったく変わっている部分もあり、別物ととらえるのが良さそうだ。もちろん、同じように解釈することもできなくはない。

だいたいこういった脚本の変更は映画に取ってもプラスに働くことが少ないのだが、この映画の変更点は改悪どころか、長さ2時間の視聴覚芸術として活かせる所、殺すべき所をわきまえた脚本になっている。

渇き★★★★☆
kawaki.jpg
パク・チュヌクの最新作。
良い意味で地に足着かない不思議ちゃん描写は相変わらずで、血を絵の具のように使うセンセーショナルな見た目も健在である。

もひとつチュヌク映画で気になっちゃうのは“可愛い女の子で生々しい映像を撮る”という親父心。
言わずもがな、ヴァンパイアというテーマは官能万歳な世界。
思う存分怠惰なエロを描けた監督も楽しかっただろう。

音楽も脚本も、まったくもって期待したとおりのチュヌク品質で大変けっこう。
ただちょっと・・・
常識を切るような作風でありながら、毎度予想どおりの作品が仕上がってくるというのにはなんとも不安を感じる。さすがチュヌク、でもいつものチュヌク、で済まされてしまう映画が続くのだろうか。
今回のエンディングシーンを見た後、ほんの少しそう思ってしまった。
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コメント

実はさっき、「ぼくのエリ」を観終わって、すげーなーと思いつつ、
オビ湾さんレビュー書いてないかな?と見に来たんですが…。

なるほど。
純粋に表現の上手さと言いたいことを伝える技術に参りました。
自分のレビューはまだまだだなぁと反省…。

「2人の感情にしがみつきたくなる」って本当にその通りだなと思いました。
この映画はかなり「残る」映画でしたねぇ…。
2011/05/05(木) 18:30:38 | URL | しゅういち #JOOJeKY6[ 編集]
こんな泥レビューをお褒めいただきありがとうございます。

僕エリは類稀な映画ですよね。確か去年の5本に挙げたような気がします。(覚えてないのかという…)
2011/05/05(木) 19:15:00 | URL | オビ湾 #-[ 編集]

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